令和四年度 第七三回卒業証書授与式

卒業おめでとうございます。今、義務教育終了という、大きな節目を迎えました。これから、皆さんはそれぞれが選んだ道へと一歩踏み出します。卒業証書は、三年間の成長の証であり、これからの人生への入場券であると思ってください。今から三年前の入学式、皆さんの代表は「全員が胸を張って、笑顔で卒業できるように、周りの人への感謝の気持ちを忘れず、お互いを思いやる心をもち、中学校生活を楽しみ、努力し続けることをここに誓います。」と述べました。新たな出会いに胸躍る一方で、翌日から二ヶ月の長期休業が始まりました。「当たり前だった生活ができないので、とても悲しいです。毎日の生活がどれだけ幸せだったのかを感じました。友達に会えないことが何よりも悲しいです。」これは休業期間中に書かれた作文ですが、学校を再開した日、手に手をとって歓声をあげた姿はこの目に焼き付いています。
試練の中で、皆さんは、安全や健康、仲間や家族の絆など、当たり前と考えていたものの大切さに気づきました。そして、生徒会を中心に、ウイズコロナ時代の新しい活動を創ることに力をそそぎました。団結して踏ん張り、他者への感謝も忘れない生徒に成長しました。今年度の体育祭は、二年ぶりに全校生で開催しましたが、「限界突破」のテーマのもと、一瞬一瞬を大切にする思いが演技のひたむきさに表れました。特に、三年生のリーダーシップが素晴らしかったと思います。文化祭、「創意創案~未来を創る篠中生~」のテーマのもと、明日に向けて歩いている力強さを感じるような気持ちのこもったダンスと合唱を創ることができました。部活動でも、多くの部活が丹有大会、県大会に出場したことをはじめ、コロナ禍の中で活動を工夫し、大きな成果をあげることができました。人権作文、読書感想文、税の作文、俳句大賞、様々なポスターコンクールなど文化面での活躍も光りました。
授業でも、タブレットを使いながら、対話活動などを行うことが日常化し、まさにウイズコロナの時代にあって、未来を創る篠中生の活動ができたと思います。
入学式の日に、自分のいいところを三つは見つけて、中学校を巣立ってくださいと話しをしました。みなさんは、「忍耐」「工夫」「感謝」という三つの宝をえたと思います。つきない想い出を、心のアルバムに納めつつ、これから描く人生の未来地図に、エールの言葉を贈りたいと思います。
『何も咲かない寒い日は、下へ下へと根をのばせ。やがて大きな花が咲く』
みなさんがこれから迎える未来社会は、正解がなく、新たな価値を創造する社会であり、様々な人と協力して学び、肉体的、精神的、社会的に満たされるウェルビーイングをめざす社会であると言われます。そうした社会では、上手くいかないことも、人を傷つけるものでない限り、やり続けることが成功で、くじけてあきらめることが失敗になると思います。これから遭遇する課題に対して、『焦らず あわてず あきらめず』、一つ一つのことに挑戦し、失敗と思われることの中にある成功の種を見つけ、人としての根をはってください。そして、自分らしい夢の花を咲かせて欲しいと願っています。

〇卒業証書授与式で卒業生が歌った歌 「旅立ちの日に」
〇卒業証書授与式後、グランドでの全校合唱「正解」