令和元年度修了式

『踏まるとも 根強く生きる道草の やがて花咲く春も来るらん』
これは、卒業証書授与式の冒頭に話したことです。令和のスタートは、コロナウイルスという世界的な危機が訪れました。3年生の卒業証書授与式は、規模や時間を制限した中で行いま
した。1・2年生も、昨日まであたりまえにしていた学校がなくなり、部活がなくなり、先行きの見えない中で不安を感じていることと思います。しかし、いつか来る春に向けてしっかりと根をはってほしいと思います。それは、命の大切さを感じ、
当たり前と思っていた家族や友達に対する感謝の気持ちをもつなど体と心の土台を作ることでもあるし、限られた環境の中で、工夫して基礎基本の勉強や運動に取り組み、自分磨きをすることでもあると思います。

さて、修了式を迎えましたが、修了のしゅうは、にんべんに縦を一本引く「ものごとをおさめる」という意味になります。篠山中学校の生徒には「失敗を恐れず挑戦する勇気」「集団を鼓舞する団結力」これは、篠山の歴史と伝統の中から生まれた篠山中学生がもつ宝物だと思います。新人体育大会などの部活動だけでなく、短歌・俳句など文化的な活動でも市大会をはじめ丹有、県、全国で篠山中学校ここにありという結果を残しました。体育祭では、力強い演技を行いました。文化祭では、心の底から声を出した合唱は、非常にレベルの高いものでした。変化が大きい社会にあって、「挑戦」「協力」は大人になった時、必要な力です。ぜひ、続けてほしいですし、後輩にも伝統として受け継いでほしいと思います。

次に篠山中学校は、未来に向けて学びを創る学校をめざしています。そのために、生徒同士の対話、先生と生徒の対話が大切だと考えています。学習では、予習で見通しをもち、対話で思考を深める授業を行いました。この1年間、みなさんは対話が大変上手くなり、考えも深まってきています。一方で、予習のやり方やゲーム、ネットで時間を取られ家庭学習や生活が上手くできていない人もいますので、次年度に向けて改善してください。
間もなく、2年生は最高学年の3年生に、1年生は中心学年の2年生へ進級します。新3年生におくる漢字は「拓」です。1年後どういった進路をめざしているのか。自分の進路を自分で切り開くための努力はしっかりとしてください。また、この中学校にどんな歴史を作っていきたいのか考えて日々の生活を送るようにしてください。1年生に送る漢字は「挑」です。いよいよ後輩ができます。後輩にとって良いお手本となってください。トライやるウィークをはじめ、自分の力を試すことができる時期は、2年生の時だと思います。いろんなことに挑戦してほしいと思います。

さて、フランスのノーベル賞作家アンドレ・ジイドは、「平凡なことを毎日、平凡な気持ちで実行することが非凡である」と言いました。例えば、1年間休まなかった皆勤賞の人もたくさんいると思います。平凡だけど、当たり前のことをしっかりとすることの積み重ねが将来、大きな仕事を成し遂げる土台になるのです。
これは壁に当たったときも同じです。立ちはだかる山の頂を見てその大きさに圧倒され落胆するのではなく、足元を見ながら一歩一歩進んで行くことが、いつの間にか頂上にたどり着く道筋なのです。悩んだりスランプに陥ったりしたときには遠い先を見るのではなく、目の前の小さな仕事を、何も考えずに一つずつ着実に片付けていくことを心掛けてください。道は必ず開けます。

この一年を正面から振り返り、成長したことは何か、改善すべきことは何か明らかにしてください。また、今までの学習で不確実な内容を確実に身につけて欲しいと思います。春休みの宿題は、単に書いて出せばよいのではなく、頭の中にしっかりいれるまで繰り返してください。頭と心と体をリフレッシュして、パワーアップして、4月に登校してくれることを期待しています。

※丹波篠山市からの通知
新型コロナウイルスの 感染 拡大防止にかかる今後の対応について(お知らせ)