換気を十分に行い、座席間隔を広くとって、マスク着用のもと第71回入学式を行いました。写真は個人情報保護のため解像度を落として掲載しています。
【入学式式辞】
ふるさと丹波篠山に吹く風が暖かな春をもたらし、すべての生命が一斉に息をふきだしました。令和二年は、人類が英知を結集しても、いまだにその本当の姿を解明できない新型コロナウイルスが感染拡大し、私たちからあたりまえをうばっていきました。学校が制限され、命や健康が脅かされました。改めて、命・友だち・家族の大切さを感じながら迎えた春。第七十一回丹波篠山市立篠山中学校入学式を保護者の皆様の協力により挙行することができますことに厚くお礼申しあげます。
百二十名の新入生の皆さん。入学おめでとうございます。そして、保護者の皆様、お子様の入学、まことにおめでとうございます。私たち教職員、在校生一同、新入生の皆さんの入学を心より歓迎いたします。新入生の皆さん、先ほどは元気でしっかりとした声を聞き、中学生としての自覚と決意を感じることができました。篠山中学校は、仲間と支え合い、学習に運動に躍動して学ぶ活気ある学校です。今日の入学式も立派な態度でがんばっていますが、この前向きな心を磨いて欲しいと思います。
この場で皆さんに中学校生活、最初の質問しますので頭の中で答えてください。「自分のよいところを三つ答えてください。」まとまりましたか。答えにくくても、気がついていないだけで、誰でも必ずよいところはたくさん持っています。中学校は何をするところか理解してほしくてこの質問をしました。中学校は、仲間と学び合う中で、自分探しを行い、自分の良さをどんどんふやし、将来の夢の実現に向けて大人になる場です。
海外で最も人気の日本のアニメはONE PIECEだそうです。主人公は万能ではない。時には正解と言えない行動をする。しかし、危機に対しても、不可能と思えることに対しても、個性溢れる仲間と知恵を絞り出し、新しい価値観を創る。こうした人物像が世界から共感を呼んでいるのかもしれません。
篠山中学生は、郷土の伝統の中から生み出された「失敗を恐れず挑戦する勇気」をもっています。このことを大切にしながら、「さきよみする感性、ささえあう力、やりぬく力・まとめる力」の頭文字をとって「篠山力」を身に着けてください。
まず、「さきよみする感性」です。自分から考え行動することです。今日は自分で起きてきたでしょうか。時間を守ること、身の回りを美しくすること、挨拶すること、そして自分や仲間の命を守ることを大切にしてください。
また、勉強ができるようになりたいと誰もが願います。一方で、中学校は内容が難しくなると不安に思う人もいると思います。勉強が得意になるために、本校は予習を大切にしています。次の授業で何ができるようになってほしいかを先生方が伝えます。「今日はこれができるようになろう」と思って学校へ来て下さい。分からないことがあってもいいのです。授業の中で仲間や先生と学び、分からないことを解決すればいいのです。
二つ目は、「ささえあう力」です。これからの社会は、予想もしない課題を世界の人たちと話し合い、知恵を集めて課題を解決することが必要となっています。その基礎として、本校はどの教科も、自分で解決する方法を考え、解決する方法を伝える授業を行います。そのことによって、新しい知恵がどんどん生まれます。学級、部活動で、大いに話し合い、学びを深めてほしいと思います。
三つ目は、「やりぬく力・まとめる力」です。人間に完璧な人などいません。誰しも失敗をします。しかし、人間の成長は、失敗した時に、そのままにすると止まってしまいます。失敗の原因を見つけ、改めることこそが皆さんを大きく成長させます。これは学習だけではなく、生活でも言えることです。ヒヤリとしたことハッとしたことをすぐに見直し、自分の頭と心と体を自分で管理できる人になって下さい。
次に、保護者の皆さんにお話しします。新型コロナウイルス緊急事態宣言が出され、兵庫県が緊急事態措置の実施区域となったことを踏まえ、明日から五月六日まで休業期間とします。おそらく子どもたちは、私たち大人の誰もが経験したことにない出来事に不安を感じていると思います。本校では、学級を2分割し、2教室で十分な換気を行うなど対策を施した上で、週2回の登校日を設け、学習支援を行います。また、本校は「未来に向けて学びを創る学校 生徒・教師の対話がこだまする学校」をめざしています。生徒自ら話し合って生活や学習を創るとともに、生徒と大人が一緒に将来について話し合えたらと思っています。保護者の皆さん、心配や疑問が生じたときは遠慮なく学校に相談して下さい。私たち教職員は「教育は今日行く」、つまりその日の内に反応したいと思います。一緒に力の合わせて学びの場を創っていけるようよろしくお願いします。
結びに、新入生の皆さん。今日から、中学校生活がスタートします。先輩の築いてきたよき伝統を受け継ぎ、さらなる輝く功績が築けるようがんばってください。子どもから大人へと向かう思春期は、いろんな悩みや上手くいかないことも起こります。篠山中学校の教
職員は厳しいけれど、温かく優しく教えます。そして、一人一人が安心して活躍できる居場所ができるように、まごころをもって一緒に解決策を考えます。この瞬間からみなさんの夢と可能性を全力でサポートすることをお約束し、式辞とします。