〇全校集会の講話(抜粋)
丹波篠山市総合体育大会が行われ、多くの表彰を受けましました。今日は、スポーツにおける記録と記憶の話をしたいと思います。
今年のプロ野球では、佐々木朗希投手が、一人もランナーを出さない完全試合を行いました。完全試合は日本プロ野球では16人しかいないそうです。大谷選手が活躍しているアメリカの大リーグでもアーマンド・ガララーガの完全試合という物語があります。2010年、ガララーガ投手は9回2アウトまでランナーを出さず、最後のバッターが内野ゴロをうち、ファースト送球。誰もが大記録が達成されたと思われた瞬間に塁審のセーフという大誤審をしてしまいました。今のようにビデオ判定はありませんから判定は覆りませんでした。試合後、審判は世間から大バッシングをあびました。翌日の試合に誤審を犯した審判が姿を見せると、ガララーガ投手がメンバー表交換を行い審判と握手。審判も思わず涙を見せました。
みなさんなら何と思いますか。「なんていうことをしてくれたんだ」と塁審にあたります。しかし、ガララーガ投手は「完全な人間はいない」といいました。記録を残せませんでしたが、その人間性は人々の記憶にいつまでも残っています。
記録を目標に努力することは尊いことです。しかし、人々の記憶に残っていく行動も意図的にうみ出されるものではありません。普段からスポーツの中で培われた人間性があってこそできるものです。目に見える記録と目には見えない記憶、部活動で何を得るのか、この機会に考えてみてください。
※全校集会での迅速な集合や顔をあげて話しを聞く姿勢はすばらしい。そのことが安全管理や交通マナーにいきるようにしよう