令和4年度修了式 篠中生へのエール

新型コロナウイルス感染拡大の中での生活も3年が過ぎようとしています。まだまだ、授業や行事、部活動の中での制限がありますが、皆で工夫し、協力し、乗り越えてきました。授業では、タブレットを使いながら、対話活動などを行うことが日常化し、まさに、未来につながっている授業づくりができていると思います。また、体育祭、文化祭では、制限がある内容でしたが、各クラスよく協力し、仲間と過ごす一瞬一瞬を大切にする思い強さを感じました。部活動でも、多くの部活が丹有大会、県大会に出場したことをはじめ、コロナ禍の中で活動を工夫し、大きな成果をあげることができました。人権作文、読書感想文、俳句コンクール、様々なポスターコンクールなど文化面での活躍も光りました。
今の環境に不平不満を言ったらきりがありませんが、今ある環境の中でベストな取り組みができたと思います。私は、それぞれの学年の入学式で、中学校では、自分のいいところを三つは見つけてくださいと話しました。みなさんは、このような試練の時代ですが、「忍耐」「工夫」「感謝」という三つの宝をえたと思います。コロナウイルスの話題で暗くなりがちな世の中にあっても、物事を真面目にとらえ、協力して乗り越えた皆さんに、「よくがんばった」と伝えたいと思います。
次に、私は、長年、篠山中学校の教職員として過ごしました。その中で、篠中生が伝統的にもっているよさが、たくさんあると感じていますが、特に、「物怖じしない」ということを強く感じています。これは、外部講師の先生が、「なれなれしいところもあるが、ちゃんと自分の意見を言える。」と話されたように、対話型の授業の時、行事の時、また、部活動の大会などでちゃんと自分というものを発揮していると思います。そして、今後も「物怖じしない」篠中生であるために2つのことを守ってください。
第一は、「自分らしさをいかす」こと。世界の中でたった一人しかいない自分です。どんなにがんばっても他人と入れ替わることはできません。だから、自分らしさを出すためには、他人と比べるのではなく、過去の自分と比べてください。「私は〇〇さんよりできる。かなわない」という考えからは本当の自信は生まれてきません。逆に、過去の自分と比べることで、できるようになったこと、これからとりくむことがはっきりし、自信が生まれるのです。ライバルは過去の自分です。
第二は、「一秒をいかす」こと。一般に聞き取りやすい話し言葉のスピードは一秒間に五文字だそうです。五文字のことば考えてみてください。「こんにちは、ありがとう、すいません、さようなら」挨拶言葉は5文字が多いです。「おはよう」はさらに短い四文字です。人とのコミュニケーションのきっかけはわずか一秒でできるのです。みなさんが大人になって職場で働くときには、「馬が合う、合わない」などと言っていられません。誰とでも協力できることが求められるのです。そのための「一秒でかわす挨拶言葉」大切にしましょう。昔から、篠中生は先に挨拶してくれると地域の方からも言われていました。
「“自分らしさ”と“一秒”」を生かして、「物怖じしない」篠山中学校をさらに発展させてください。
丹波篠山市立篠山中学校長 細見博文